- のこす
- のこす【残す】(1)失ったりしないでとどめる。 保存する。
「昔の町並みを~・す一角」「少年の面影を~・す」「我が背子が帰り来まさむ時のため命~・さむ/万葉 3774」
(2)全体のうちの一部をとどまらせる。「ご飯を~・す」「宿題を忘れた生徒だけ~・して勉強させる」「保安係を~・して他の者は引き上げる」
(3)後のために書き記して保存する。「発言を記録に~・す」「実験の記録を~・す」
(4)(「遺す」とも書く)立ち去ったり死んだりした後に置く。 (ア)物や金を置いておく。「現場に指紋を~・す」「置き手紙を~・す」「財産を~・す」「子孫に美田を~・さず」(イ)人をとどめおく。 「幼い子を~・して世を去る」
(5)(「遺す」とも書く)後世に伝える。「名人として名を~・す」「数々の名曲を~・す」「虎は死して皮を~・す」
(6)ある事の結果として生じさせる。「悔いを~・す」「感情的なしこりを~・す」
(7)決められた期間や距離の一部があまっている。「持ち時間は一〇分を~・すだけになった」「会期を三日~・して休会に入った」「ゴールまであと一キロを~・すのみ」
(8)踏みとどまる。 こらえる。「強烈な上手投げをからくも~・した」
(9)動詞の連用形の下に付いて複合動詞として用いる。 (ア)全部…し尽くさないで一部分を手付かずのままにする。「ご飯を食べ~・す」「何か言い~・したことはないか」(イ)…して残るようにするの意を表す。 「事の顛末(テンマツ)を書き~・す」「父が言い~・した言葉」
〔「残る」に対する他動詞〕‖可能‖ のこせる
Japanese explanatory dictionaries. 2013.